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音楽の町のシンボル、悠邑ふるさと会館・かわもと音戯館
しまねの鼓動



◆川本町

邑智郡の中心地として栄え、雄大な江の川が町中を流れる川本町では、15年前より「音楽の町」としての町づくりを進めてきた。ユニークなイベントも数々催され、いまや県外の音楽関係者も多数押し寄せる音楽ファン注目の町になりつつある。

緑にこだます音楽の里

島根県のほぼ中央に位置し、町の面積の80パーセント以上を山林が占める川本町は、典型的な中山間地域の町だ。町の真ん中を一級河川・江の川が流れ、周囲を中国山地の山々に囲まれたこの町では、昭和59年から「緑にこだます音楽の里」計画を進めている。

町内にある県立川本高校は、人口5千人程度の町でありながら、ブラスバンドの大会で何度も全国優勝を果たしている。この伝統を生かし、町づくりの柱に音楽を据えようと考えたのだ。

昭和61年には1000人の収容能力を持つ野外音楽堂を建て、中国地方最大規模の音楽施設として、コンサートをはじめ数々の催しを行ってきた。また平成6年には野球場を使っての大コンサートを行い、県内外から1万人近い入場者を集めた。

8年には1000人規模の本格的コンサートホールを備えた「悠邑ふるさと会館」が完成。隣接する「かわもと音戯館」と共に、周辺の音楽愛好者の殿堂となりつつある。音楽によって町の活性化を図る川本町の計画は、順調に進行中だ。

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江の川アドベンチャーレース

邑智郡の中心地としての役割に期待

川本町は、明治時代には郡役所が置かれており、現在も邑智郡の中心的存在である。

そんな川本町でも、人口減の問題は深刻だ。最大の原因は、就労の場が少ないこと。雇用を増やす目的で平成元年に第三セクターを設立、自動車部品や住宅産業の下請け工場を始めたものの、その後の不況が災いし、思うにまかせない状態だ。

しかしその一方、川本町の豊かな自然に憧れてやってくるIターン希望者も増えている。町内に事務所を持つ邑智郡森林組合では平成9年より職員の全国募集を始め、毎年5名程度が採用されている。家族を伴ってくるケースも多く、町の活性化に一役かっている。

手作りのいかだで江の川を下る、夏のイベント「江の川アドベンチャーレース」も、今年で13回目を迎える。毎年450人程度の参加者が集まり、90艘近いいかだがスピードや飾りを競い合う。県外からの常連客も多く、町の風物詩としてすっかり定着した。

平成9年に町民の憩いの場として造られた湯谷温泉「弥山荘」も盛況だ。広島県からの利用客も多く、オープンから2年弱で10万人を突破している。今後も周辺町村の活性化の牽引役として、その役割をおおいに期待されている。

topics ゆうゆうふるさと会館かわもと音戯館
1,000人収容の大ホールのほか、バンド練習用のスタジオ、宿泊設備なども備えた悠邑ふるさと会館・かわもと音戯館は、本格的に音楽が楽しめる施設として建設された。演奏会はもちろん、一流のクラリネット奏者を講師に招き、全国から募った参加者にレッスンしてもらうといった企画性の高いイベントも行われている。
毎年8月に合宿形式で行われるこのイベントは、今年で3回目を迎え、今後も継続される見通しだ。
かわもと音戯館には作曲が楽しめるDTMルームなどもあり、音楽ファンにとって目の離せない場所になりつつある。
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