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斐伊川堤防桜並木
出雲神話「八岐大蛇」の舞台、斐伊川の中流に開けた桜咲く町、木次町。
緑豊かな山間には温泉が沸き、春ともなれば桜吹雪が、住民の暮らしに潤いと活力をもたらす。
島根の鼓動 木次町

定住促進に向けた基盤整備と人づくりを推進
スサノオノミコトが八つの首を持つ大蛇を打ち倒す神話、「八岐大蛇」の舞台となった出雲地方に流れる斐伊川。その中流に位置する町が木次町だ。
尾原ダムの建設、中国横断自動車道尾道松江線のインターチェンジ周辺整備、広域CATV整備などによる「定住促進による地域活力の創出」と、「心豊かな創造性あふれる人づくり」を重点に、住民約1万人がいきいきと暮らせるまちづくりに取り組んでいる。
その木次町の誇りの一つに、平成2年、「さくら名所100選」(日本さくらの会選定)に選ばれた「斐伊川堤防桜並木」がある。4月の声を聞くと薄桃色の堅いつぼみを一斉に膨らませ、春の訪れを告げる中国地方随一の桜並木だ。斐伊川堤防沿い約2キロメートルにわたる見事な桜のトンネルには、開花時期になると県内外から約7万人の花見客が訪れ、冬の寒さに縮んでいた心身を一気に解き放つ。

「さくら咲く健康の町」を目指して
「さくら咲く健康の町」をテーマにまちづくりに取り組む木次町は、昭和63年、「全国さくらサミット」を提唱し、第1回を木次町で開催。また、桜を生かした「さくらめん」など特産品の開発に力を入れている。
平成10年春には、木次町とともに歩んだ桜並木の歴史を創作劇にした「ひと花の吹雪」が完成し、小学校2年生から84歳までの町民が参加。町の文化ホール、チェリヴァホールで上演した。劇では、伐採、台風、道路工事など、およそ100年の歳月の中で桜に降りかかった受難を通じて自然と人との共生を訴え、観劇した町民は桜への思いをさらに深め熱い感動を胸に刻んだ。そして、この上演が日本さくらの会の知るところとなり、ついに今年3月6・7日の両日、東京公演が決定。田中豊繁町長は、「木次町から都市への発信は町民に大きな自信を与えた。今後も桜と健康にこだわり、まちづくりを進めたい」と、予想以上の大きな展開に瞳を輝かせる。
今後は、野菜やブドウの有機栽培が体験できる「シンボル農園」を充実し、さらに、今春完成予定のチーズ、ワイン、和牛肉など有機農産物を味わえる総合交流促進施設「食の杜」を開設して「健康農業の里」づくりを進めるとともに、温泉施設「おろち湯ったり館」の利用などでも住民の健康を増進したい考えだ。
運行距離日本一のトロッコ列車「奥出雲おろち号」(JR木次駅発)は、今年も4月から運行開始。出雲神話の面影が漂う桜の町に、今年も新緑の風が吹こうとしている。

 
風物詩
出雲七福神まつり
(恵比寿まつり)
  名所 八本杉   特産品 さくらめん
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明治初期から始まった商売繁盛を願う恵比須まつり。毎年7月20日、夕刻より斐伊川の河川敷に心願ローソク4,000本余りが灯って炎の大河となり、花火とともに神秘的な光を放つ。 町内に点在する出雲神話「八岐大蛇」にまつわる地の一つ。スサノオノミコトが退治したヤマタノオロチの八つの頭を埋め、その上に八本の杉を植えたと伝えられている。 平成9年にできた新しい特産品。町の桜の花びらと葉を使用し、桜本来の色と香りを大切にした手作りのうどん。独特のコシと豊かな風味が自慢。

島根の鼓動「都万村」
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