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島根に活きる

 四季折々に移り変わる豊かな自然、長い歴史に培われた伝統芸能や文化など、島根には誇り得る多くの魅力がある。そして東西に長く59の市町村を持つこの県は、それぞれの地域の特性を生み出し、さまざまな人間性をはぐくんできた。
 かつて人は仕事を求めて都会へ向かった。今、時代の風が求めるものは画一的な都会ではなく、質の高い豊かさを持つ、個性あふれる地方である。住みにくい田舎を住みやすい田舎に変えることができるのは、そこに住む人たち。そこで生きていこうとしている人たちである。
 そうした中、若者が一体となって魅力ある町づくりを進めようと、出雲市、平田市と簸川、飯石両郡の12市町村の町づくりグループが「広域圏青年フォーラム会議」を発足させた。地方拠点都市地域にも指定されている同圏域で、若者の知恵を集めて共同イベントの開催や圏域発展に向けた提言活動を行っていく。また斐川町では環境問題をテーマにしたオリジナル舞台「希望のバトン」を制作、公演する。出演者や制作スタッフは住民から募集、町内外のボランティアスタッフが協力する。町民が一体となり、町の財産として受け継いでいける芸術性の高い作品づくりを目指している。
 掘り起こせば宝島のように、限りない要素を含んでいる島根県。各市町村では町のシンボルとなる公共施設や町づくりの中核となる文化・スポーツ施設の開館が相次ぎ、町おこしイベントがめじろ押しである。そして夢を形にしようと住民自ら参画している。住民一人ひとりの生き方が一つひとつの町をつくり、さらに地域をつくりだす。そこに新しい島根の姿が現れてくるはずである。
 地域の夢を語り、地域の誇りを発信し、ポジティブに生きていこうとする人たちが、新しい島根をつくり出していく時代のキーマンである。

欲しいものは何でも手に入れることができる現代の暮らしの中では、木が水が土がわたしたちの命の源であることさえ忘れかけてしまう。
人々はより成熟した暮らしを得ながらも心を満たされ、心を潤す場所を求めさまよう。今もなお、自然やロマンや人情が息づいているこの島根。ふと、豊かさを感じる。
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