遊愉私的(ゆうゆうしてき)大人の楽しみ008
幻の在来種で出雲そばを打つ
豊かな自然や歴史、文化が根づく島根を五感で体験してみませんか。今回は「たたら製鉄」の町、奥出雲町でそば打ちに挑戦します。
打ち粉を豪快に振るい、生地を延ばす
日本古来の「たたら製鉄」が受け継がれている奥出雲町。なだらかに広がる棚田の景色は、かつてたたらのために切り開かれた土地なのだそう。そこに高地の寒暖差やミネラルを含んだ水も加わって、おいしい仁多米が育まれています。
そしてもう一つ。奥出雲の食を語るときに外せないのが、そばです。香り高く甘い「横田小そば」という在来種は、実が小さいために一時期ほとんど栽培されなくなったそうですが、地元の取り組みによって復活。今は町内で食べることもできます。この貴重なそばを自分で打てる店があると聞き、さっそく出かけてみました。
訪れたのは、「山県(やまがた)そば」。体験工房はお店の横にありました。出迎えてくれた店主の西澤由英(にしざわよしてる)さんによると、「ここで打ったそばが忘れられないと言って、県外から足を運んでくれるお客さんも多い」のだとか。そば好きを魅了する横田小そばに恥じない打ち方をしなければと、気合いが入ります。
目の前に置かれたこね鉢にそば粉をふるい入れると、ふわりと甘い香りがしました。粉が薄い茶色なのは、甘皮ごとひく出雲そばならではです。
指導を受けながら、そば粉にまんべんなく水がなじむように素早く混ぜ、こねていきます。なかなかの力作業ですが、「出来の悪いそばは、だいたいこねが良くないんだよ」という西澤さんのつぶやきを耳にしたため、手は抜けません。
こねたそばを半畳ほどの大きさまで延ばし、たたんで切ると完成です。店でゆでてもらうと、出雲そばらしく「割子」に盛られて出てきました。
出雲そばはかんで風味を味わうものといいますが、打ちたての横田小そばは、香りの立ち方も甘みも格別。それを一層引き立てたのは、甘辛いだしと、奥出雲の空気。それとちょっぴり、自分の腕前…かもしれません。
そば打ちの手ほどきをする西澤由英さん
奥出雲の棚田
横田小そばの花
打ち立てのそばを割子に
そば打ち体験
■体験日時
平日は午前10時半と午後2時から、
休日は午後2時から(水曜日は休み)。
体験時間は約1時間。
■体験場所
山県そば・奥出雲町大呂515(TEL:0854・52・1149)
■料金
そば打ち台1台使用(2人まで)2500円
※1台で5人前のそばを打ちます
お問い合わせ先
広聴広報課
島根県政策企画局広聴広報課 〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 【電話】0852-22-5771 【FAX】0852-22-6025 【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp