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林業用苗木を育てる専用培土について特許を取得しました

 令和5年4月4日(火)晴れ

 

 

 島根県では、年間100万本前後のスギやヒノキといった林業用の苗木が生産されており、県内で植林されています。

 苗木はこれまで畑で生産されていましたが、最近は人手不足もあり、作業の負担の少ないコンテナ苗と呼ばれる容器で

栽培したものが急速に普及しています(令和3年度、約50万本)。

 しかし、コンテナ苗は育てる期間が長いとコストがかかり増しになる、また夏場に発生する根の病気によって

枯れてしまうことがある、といった課題がありました。

 

 森林保護育成科の陶山大志(専門研究員)はコンテナ苗を育てる研究を重ねた結果、種をまいてから苗を大きくして出荷するまでに、

これまでの方法では約1年半と長期間を要していましたが、肥料の量や成分配合を最適化することによって約6か月と非常に短期間で

育てる方法を確立しました。

 さらに、天然由来のある鉱物を培土に混入すると根の病気の発生を1/5まで抑制できることを見いだしました。

 

 平成31年にこれらの研究成果を含む技術について特許出願していましたが、厳しい審査を経て、本年3月に特許を取得することができました。

 

 この特許技術を使用した培土は、培土メーカー((株)ナガタ、出雲市)と島根県で令和3年9月に契約が結ばれ、製造が始まっています。

 すでに80万本分以上の苗に相当する培土が販売され、県内の苗木生産者の方に使用されています。

 

 短期間で育てることができるため苗木需要の変動にも対応しやすくなります。くわえて病気が発生しにくいため、苗木を安定的に供給することが

できます。今後、山林を伐採した後に、円滑な森林の再生に寄与できるものと期待されます。

 

 コンテナ苗専用培土写真画像

 コンテナ苗専用培土

 

 

 スギのコンテナ苗写真画像

 スギのコンテナ苗

 

 

 

 森林保護育成科

 

 

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