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地域医療を守る島根県の主張

地域医療の状況

医師の地域偏在、診療科偏在

 全国的な医師不足により、地域や診療科によっては、これまでのような医療を受けることができない地域が生じています。

 本県においても、県西部を中心に医師不足が深刻化し、県の医療情勢は、極めて憂慮すべき危機的状況にあります。

 特に、離島や中山間地域のみならず、都市部の中核的な病院や、産科・外科などの特定の診療科において、医師不足が深刻化しています。

 島根県の人口10万人当たりの医師数は、大学附属病院、県立中央病院がある出雲圏と県庁所在地であり、病院を多く抱える松江圏では全国平均を上回っていますが、その他の圏域では、全国平均を下回っています。

 平成22年度に、病院及び分娩取扱い診療所を対象に国が初めて実施した「必要医師数実態調査」においても、島根県の必要求人医師数の倍率は、全国1位の1.24倍となっています。

 2002年頃からは、地域の中核的病院の産婦人科、精神科などの診療科で大学からの医師供給が受けられなくなり、診療を継続するために県立病院などから医師を派遣したり、やむなく診療体制を縮小せざるを得ない状況も起こってきました。さらに、2004年に医師の臨床研修の必修化や国立大学の独立法人化がなされたことなどにより、麻酔科、小児科、内科、外科などにおいても、大学からの医師供給が困難になり、島根県における医療提供体制の維持・存続が脅かされる状況になってきています。

島根県の取り組み

これまでの取り組み

 県では、これまでも赤ひげバンクや代診医派遣制度など全国に先駆けた取り組みを行ってきました。また、平成18年度には県の組織として医師確保対策室を新たに設置し、県外からの医師招へい(※1)の取り組みを強化するとともに、将来の地域医療を担う医師を育て、確保していくために、一定期間の県内勤務を返還免除条件とする医学生向け奨学金制度(※2)を設けたり、島根大学に県の寄附講座(地域医療支援学講座)(※3)を設置し、大学の地域医療教育と協力・連携するなどの取り組みを行っています。

 また、平成23年8月には島根大学と島根県に、「しまね地域医療支援センター」(※4)を設置し、若手医師が島根県に軸足を置いたキャリア形成ができるよう、支援を行っているところです。

 現在、医師確保対策室においては、地域医療を支える医師を「呼ぶ」「育てる」「助ける」を3本柱として、従来からの取り組みに加え、島根県地域医療再生計画(計画期間:平成25年度まで)に基づく事業により、医師確保、地域医療支援に取り組んでいます。

 ※1H14年度からH25年度まで医師招へい実績:107人

 ※2奨学金…H21:28人枠→H22:35人枠→H23:39人枠→H24〜:40人枠

 ※3寄附講座(島根大学に「地域医療支援学講座」を設置)…島根大学で地域医療を志す医学生や医師に対して、地域医療へのモチベーションを膨らませるとともに、研修のコーディネートや勤務先の調整などの支援を行う。

 ※4しまね地域医療支援センター・・・若手医師への支援体制を一層強化するため、平成25年3月に一般社団法人化し、大学、医療機関、医師会、市町村、県等が「オールしまね」で取り組む体制を構築

 

・平成12年度県立病院医師による地域の公立医療機関などへの代診医派遣制度

・平成14年度医学生向けの奨学金制度として「へき地医療奨学金制度」を創設

 医師を中心とした医療従事者の登録制度である「赤ひげバンク」を創設し、情報発信を強化

 へき地等医療対策の各種事業を円滑に実施することを目的とした「へき地等医療支援機構」が発足

・平成17年度医学生及び研修医に対し、県内研修病院での研修を促し、県内定着を図るため研修医等定着特別対策事業を開始

・平成18年度医療対策課内に医師確保対策室を設置

 「へき地医療奨学金制度」を「医学生地域医療奨学金制度」へ拡充

 「しまね医学生特別奨学金制度」を創設

・平成21年度「緊急医師確保対策枠奨学金制度」を創設

・平成22年度〜地域医療再生基金を活用した事業の実施

 「呼ぶ」:求人情報の積極的な発信など

 「育てる」:島根大学に県の寄附講座(地域医療支援学講座)、島根大学・県に「しまね地域医療支援センター」の設置、医学生向け奨学金の拡充、研修医向け研修資金の創設など

 「助ける」:医師事務作業補助者の雇用経費支援など

平成25年度以降の取組み

 地域の医療課題の解決を図るため、従来の取り組みに加え、平成25年度末までを計画期間とする「島根県地域医療再生計画」に基づく事業に引き続き取り組むとともに、ドクターヘリの活用などにより地域医療を支援する体制を整備します。

 

《短期的な対策としては》

 県外からの医師招へいを行い、地域医療機関での勤務に繋げていきます。

 また、即戦力となる後期研修医や県内での後期研修医確保に繋がる初期研修医への貸付金制度など、当面の危機に対応するための対策を集中的に実施します。

《中・長期的対策としては》

 奨学金制度を活用した医師養成・確保対策に引き続き取り組むとともに、平成25年3月に一般社団法人化した、「しまね地域医療支援センター」で、大学、医療機関、医師会、市町村などとの連携を図り、医師のキャリア形成支援などによる若手医師の県内定着に取り組んでいきます。

 

 更に、長期的には、島根県内からの医学部・看護学部等進学者数を増やすことも必要であり、地域医療に関するふるさと教育や医療現場体験セミナー、夢実現チャレンジセミナーなど、小中高校生への働きかけも引き続き行っていきます。

 また、当面の厳しい医療情勢に対応するため、平成23年6月に運航を開始したドクターヘリの活用や、県内医療機関をつなぐITネットワークを整備し医療機関連携を促進することにより、圏域内及び圏域を越える医療提供体制確保に取り組んでいきます。

《関係機関との連携強化》

 県では、医療機関や大学、市町村など関係機関と連携を強化し、医師確保や地域医療の確保を図り、県民が地域で安心して医療を受けられるような体制の確保に努めていきます。

 また、市町村や医療機関と地域住民が一体となり、地域医療を支える活動が各地で展開されるよう、県としても支援していきます。

島根県の考え方(国への要望)

 しかしながら、地方での取り組みには限界があります。「医師が不足する地域や診療科への医師の制度的な誘導」が必要と考えており、国に対して、抜本的な対策の実施を強く求めていきます。

 

○医師不足が深刻な地方の病院での勤務や、産科・外科など不足する診療科で勤務する医師が増える措置を講じるよう求めていきます。

(1)地域の医療機関や、医師が不足する地域・診療科に勤務する医師の処遇を手厚くすること。

(2)安心してお産のできる体制を維持するため、産科医、麻酔科医、小児科医、助産師の処遇改善を図ること。

(3)若手医師が地域の医療機関や医師が不足する診療科において、充実した研修が受けられるよう、病院の研修環境や指導体制の充実を図ること。

(4)後期臨床研修を制度化し、地域ごと、診療科ごとに定員を設け、医師の偏在是正を図ること。

(5)女性医師の出産・育児による離職防止、復職の促進に向け、仕事と育児等が両立できるよう、必要な財源措置も含め、就労環境の整備・充実を図ること。

(6)産科・外科などにおける医療事故・医療紛争を裁判外で早期に解決できる制度を構築すること。また、早期の被害者救済のため、無過失補償制度を拡充すること。

 

○医師養成体制の充実や、大学によるへき地医療支援を促進するよう求めていきます。

(1)産科・外科など不足する特定の診療科を選択する学士入学枠を医学部に設けること。

(2)地域医療に求められている、総合的に患者を診る能力を持つ医師を養成するため、教育体制の強化を図ること。

(3)若手医師が医学部・大学病院において、教育・研究活動に従事でき、地域医療を担うことのできる環境を整備するために、医師等の処遇や勤務環境の改善、機能強化が図れるよう、十分な財政支援を行うこと。

○医師・看護職員の確保、処遇の充実、従事環境の整備等の十分な取組みが行えるよう、過疎地域における公立・公的病院等への財源支援措置の充実を図るよう求めていきます。

○勤務医や看護職員の過剰勤務解消のため、医療の現状、医療の利用の仕方などについて国民への広報・啓発を強化するよう求めています。

○地域医療を確保・維持するためには、人材育成や勤務環境の整備などの取組みを継続して実施する必要があり、地域医療再生基金などの継続的な財政措置を講ずるよう求めていきます。

 


お問い合わせ先

医療政策課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
島根県健康福祉部 医療政策課
TEL0852-22-6698(医事グループ)
   0852-22-6277(看護職員確保グループ)
   0852-22-6276(地域医療支援第一グループ)
  0852-22-6629(地域医療支援第二グループ)
   0852-22-5251(医師確保対策室)
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