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コラム

今福線鉄道遺構について

幻の鉄道遺産

 浜田市内の宇野町から佐野町にかけての下府川沿いや、金城町今福地内には、古い橋脚や使われていないトンネルが県道脇に数多く見られます。

 これは、昭和初期から昭和50年代にかけて建設が進められた広浜鉄道(浜田と広島を繋ぐ鉄道)の今福線(島根県側)の鉄道遺構です。

河川敷内に残る橋脚

 

二度も休止になった未成線

 今福線鉄道遺構には、戦前に工事が始められ、戦争のため中断した「旧線」と、戦後に再開され、国鉄民営化等で再び中止となった「新線」が混在していますが、2度も休止となった「未成線」として、その時代背景に翻弄された鉄道建設の経緯や構造形式の変遷、そして現在の県道や高速道路と一緒になった風景など見どころが数多くあります。

 

 

「選奨土木遺産」に認定

 今福線鉄道遺構は、従来から地元の方々に見守られてきましたが、平成20年に公益社団法人土木学会により、「今福線のコンクリートアーチ橋群」として「選奨土木遺産」に認定されました。

 また、島根県技術士会では、平成22年より「今福線研究分科会」を立ち上げられ、多くの研究報告や今福線の遺構を紹介したマップ作成などの活動をされています。

「選奨土木遺産」に認定

 

「広浜鉄道今福線を活かすシンポジウムー幻の鉄道遺産今に復活ー」を開催

 地元浜田市においては、この遺構の保全や活用策の検討をされているところですが、多くの方に関心を持っていただくため、平成27年8月に島根県技術士会や県立大学との共催で、「広浜鉄道今福線を活かすシンポジウムー幻の鉄道遺産今に復活ー」を開催され、多くの専門家やファンが集まりました。

 

アーチ橋

 

写真マップ

 浜田県土整備事務所では、訪れる方にこれらの遺構の場所をわかりやすく紹介するため、位置や写真を地図で見られる写真マップ(国土地理院の地理院地図を利用)を作成、掲載しました。是非一度現地を探訪してみませんか。

 なお、写真マップの作成にあたっては、島根県技術士会発行の『「幻の広浜鉄道今福線」研究』を参考にさせていただきました。また、島根県技術士会の長島哲郎様に写真マップ作製の技術支援をいただきました。

 

 

 今福線鉄道遺構写真・地図(外部サイト)

 

注意

 現地周辺道路は狭く、見通しのきかないカーブや駐車スペースのない箇所も多いため、交通の妨げにならないよう、十分に注意して下さい。(自転車等の利用をお勧めします。)

 また、遺構は管理がされていないため、中には老朽化のため立ち入り禁止になっている橋梁や、中がぬかるんで通過できないトンネルもあります。市道、県道など現道からの観察までとしていただきますようお願いします。

 


お問い合わせ先

浜田県土整備事務所

浜田県土整備事務所
〒697-0041
島根県浜田市片庭町254
電 話 0855-29-5654
FAX0855-29-5691(業務部、維持管理部、土木工務部)
   0855-29-5623(農林工務部)