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出雲神話と自然景観にふれる「みさきうみねこ海道」その2(みさき編)

 

 前回は、「稲佐の浜」から「つぶて岩」までを紹介しましたが、いよいよ日御碕へ到着です。

 最初に目に飛び込んでくるのは、もちろん日本一の高さを誇る白亜の日御碕灯台。しかし、今回は上を見上げるのではなく、足下の岩石と地形に目を向けてみましょう。

 

 日御碕は、今から2000〜3000万年以前に噴出した流紋岩の溶岩からできているのですが、この溶岩に、蜂の巣にも似た不規則な5角形〜6角形の柱状の割れ目(柱状節理)が発達しているのがわかります。

 この幾何学的な断崖地形の上に、美保関産の凝灰質砂岩で作られた日御碕灯台が空に向かってそびえ立っています。足元の溶岩地質に注目しながら灯台を見上げると、地球のエネルギーが作り出した不思議な景観と明治人が石を積み上げて建設した真っ白な灯台、この組み合わせに改めて驚きと感動を覚えます。

 

 また、日御碕沖にはウミネコの繁殖地として国の天然記念物に指定されている「経島(ふみしま)」があります。この「経島」は、出雲風土記にも登場する伝説の島で、日御碕周辺と同じように、柱状節理がよく発達しています。昔の人は、この島が万巻の経本を積み重ねたように見えたことから、この名前を付けたと伝えられています。

 

 毎年、11月ごろになると数千羽のウミネコが集まって冬を過ごし、4月から5月にかけて産卵・ふ化します。そしてヒナが育った7月下旬ごろには経島を飛び立ち、冬が来る頃に再び経島へ帰って来ます。

 

 今年も経島は繁殖の時期を迎え、ウミネコ特有のニャーニャーという猫に似た鳴き声にあふれています。運がよければ、数千羽のウミネコが一斉に飛び立ち経島の周辺をにぎやかに飛び交う姿を見ることができます。

 

 ウミネコの繁殖地

 全国で5ヶ所、天然記念物に指定されていますが、経島以外の4ヶ所は東北地方にあります。

 

 山陰中央新報「りびえーる」平成22年4月11日掲載

 

うみねこの写真  灯台の写真

 形状節理と日御碕灯台経島とウミネコ

 


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