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労働相談の具体例

労働問題の相談事例を紹介します。

 

1.パワーハラスメントについて

Q.上司からの言動がパワハラではないかと感じていますが、パワハラの定義はどのようなものですか?またどのように対応したらいいですか?

 

A.パワーハラスメントの定義は、次の3つにすべて該当するものとされています。

 1.職場において行われる優越的な関係(上司だけでなく同僚も対象となる場合あり)を背景とした言動であって

 2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより

 3.雇用する労働者の就業環境が害されること(身体的、精神的な苦痛を与えること)

この中で、パワハラに当たるかどうかの判断の際に最も問題となるのは2.に該当するかです。当事者からは従業員に対する指示・指導や教育だと主張される場合が多いようですが、個別の事案の様々な要素を総合的に考慮して判断されることになります。

 

また、令和4年4月からすべての事業主に対してパワハラを防止するための措置を講ずることが義務づけられました(労働施策総合推進法第30条の2)。具体的には、事業主の方針の明確化と周知・啓発、相談窓口等の体制整備、事案発生後の迅速かつ適切な対応等です。

パワハラへの対応としては、パワハラと感じた時にはその状況をメモし記録しておくこと(可能ならば録音)をお勧めします。そしてまずは事業所内の相談窓口または労働組合があれば組合に相談してください。事業者内では相談しにくい場合や相談しても解決しない場合は、行政機関(お近くの労働基準監督署島根県労働委員会等)にご相談ください。

 

2.年次有給休暇について

Q.会社では、正社員のほかに、半年前から週3回勤務のパート社員を雇い入れていますが、年次有給休暇の取得の申し入れを受けています。
パート職員にも年次有給休暇を与えなければならないのでしょうか?

 

A.パートタイム労働者のような短時間雇用労働者(週の所定労働時間が30時間未満の者)にも、6ヶ月以上勤務し、その間の所定労働日数の8割以上出勤すれば年次有給休暇を与えなければなりません。
その日数は、週所定労働日数や継続勤務年数によって定められていますが、質問の事例であれば、勤務を始めて6ヶ月以上1年6箇月までの間は5日となり、それ以後も勤務の継続期間に応じて付与しなければなりません(労働基準法第39条第3項)

3.解雇について

Q.私は社員約15人の会社に勤めていますが、社長から突然、具体的な理由もなく「解雇する」といわれました。以前にもその日に解雇された人がいましたが、労働者を突然解雇することができるのでしょうか?

 

A.使用者が労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に予告するか、又は、解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払わなければなりません(労働基準法第20条)。
また、解雇する場合は客観的に合理的な理由が必要です。その理由がない解雇は、解雇権の濫用となり、無効です(労働契約法第16条)

4.労働契約時の労働条件の明示について

Q.従業員を採用する際、労働条件の明示をどのように行えばよいでしょうか?

 

A.労働基準法では、使用者が労働者を雇い入れる際には労働条件を明示しなければならないと規定しています。そのうち、賃金、労働時間、休日など一部の項目は書面で明示しなければなりませんので、これらの項目については、従業員に対して書面【労働条件通知書等】を交付してください。他の項目についても、具体的かつ詳細に明示する必要があります。
なお、就業規則に上記事項が記載されている場合は、就業規則を交付することによってこれに代えることができます。

 (労働基準法第15条)
※参考:厚生労働省ホームページ(外部サイト)

 

 

5.労働組合の結成について

Q.労働組合を作ろうと思いますが、どのような手続をとればいいですか?
A.労働組合とは、労働者が主体となって、自主的に労働条件の維持・改善その他の経済的地位の向上を主な目的とする団体をいいます。
この自主的要件を満たしていれば、労働者が2人以上集まれば、行政機関への届出や使用者の承認は必要なく、いつでも自由に結成することが出来ます(労働組合法第2条)。
また、労働組合が民主的に運営されるように、組合規約に最小限含まなければならない事項も定められています(労働組合法第5条第2項)。
なお、労働委員会への不当労働行為の救済申立てなどの労働組合法上の各種手続を行う場合には、事前に島根県労働委員会の資格審査を受けておく必要があります。

 


お問い合わせ先

雇用政策課

〒690-8501
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