私と島根

陣内貴美子
陣内貴美子
Kimiko Jinnai

陣内貴美子(じんないきみこ)
ヨネックス勤務。キャスター。(元バドミントン選手)。
熊本県八代市生まれ。1979年16歳の若さでナショナルチームに参加。’80年オランダで行われたジュニア・オープンでシングルス、ダブルスともに優勝。’81年インターハイ三冠獲得、ユーバ杯団体優勝。’85年、’86年全日本総合2位。’88年から森久子選手とペアを組み、全日本社会人大会で三連覇。’92年バルセロナ五輪代表。’93年現役を引退。ヨネックスに勤務しながら、フジテレビ「プロ野球ニュース」をはじめ、テレビ等で活躍中。

  宍道湖
 宍 道 湖

ありがとう、島根
ひとつ助けてもらったら、それを一生忘れないほど人情に厚く、心温かい…。私は、島根の人をそんなふうに感じています。
一緒にバドミントンの練習をした仲間で、以前、NTT東京に所属していた田部(旧姓星野)実智代さんもそんな人。我慢強く、何でも黙々とやりとげてしまう4歳年下の彼女は、島根県八束郡宍道町出身です。誕生日が私と同じという縁の深さもあって、妹のように感じている存在ですけれど、一番最初に島根を意識させてくれた人かも知れません。
はじめて、プライベートで島根を訪れたのは3年前。故郷に帰ってバドミントンの指導を続けていた田部さんの、結婚披露宴に出席するためです。彼女はそのとき、出雲大社や宍道湖など、いろんなところへ私を連れて行ってくれましたが、あのひとときは本当に心地よかった。同じ時間の長さでも、島根ではゆったり過ぎていたような気がします。人も風景もすべてが、出会いを大切にして、温かく迎えてくれる島根。ぜひもう一度、本当のプライベートで訪れたいと思っています。
それ以前も、島根県にはバドミントンの講習会や、4年ほど前にできた、地元銀行の実業団チームの指導のため、何度か訪れていますが、そのチームに、私が卒業した熊本の高校出身者も所属しているとあって、島根をより身近に感じるんです。選手の育成に熱心な島根県ですから、地元の指導者に恵まれて、これからどんどん強くなると思っています。
そして、訪れるたびに私がいつも感じるのは、講習会で出会う人達がみんな、目の輝きが違うということ。真剣な思いが私に伝わるから、さらに一生懸命教えたくなるんです。指導をする側とされる側が、互いにパワーをあげたりもらったりできる関係は、なかなか作り出せるものではありません。新しいパワーを、私自身がもらっていることに気づかされる。だからいつまでも、あの目の輝きを忘れてほしくないと願うと同時に、私もみんなからもらったパワーを、いろんなところで活かしていかなければと思っています。
そんな島根に、いま心からこの言葉を贈ります。「ありがとう」。(談)


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