2021(R3)年 年報
7)性感染症(STD)定点把握疾患の発生状況(月報):表11,12,13、図10,11
本県の性感染症(STD)の2012(H24)年以降の10年間の年次別患者数推移を見ると、2012(H24)年は243件であったものが、2013(H25)年は242件、2014(H26)年は234件、2015(H27)年は250件、
2016(H28)年は244件、2017(H29)年は224件、2018(H30)年は184件、2019(R1)年は260件、2020(R2)年は294件、2021(R3)年は236件であった。
この10年間では、2020年に若干多かったが、性感染症の報告数には大きな変動は認められなかった。
本年のSTDの内訳は、性器クラミジア感染症149件(63.1%)、性器ヘルペスウイルス感染症21件(8.9%)、尖形コンジローマ14件(5.9%)、淋菌感染症52件(22.0%)であった。
圏域・地区別では、全般的にみると性器クラミジア感染症では地域差はなく、尖圭コンジローマは東部地区、淋菌感染症は西部地区、性器ヘルペスウイルス感染症は東部と西部地区に報告数が多くみられた。
(1)性器クラミジア感染症:149件
性感染症の半数以上を占め、そのうち男性が90件、女性が59件であった。過去9年間と比較し2021年は患者数が多かったが、他の年との差は少なかった。
年齢別では10代が7件、20代が87件、30代が39件、40代が13件、50代が2件、60代が1件となっていた。
性別では、男性が10代から60代まで広く分布し、女性は10代から40代まで分布しており、女性は男性に比べやや若年層に多く分布していた。
月別の報告数では、季節的な変動はみられなかった。
(2)性器ヘルペスウイルス感染症:21件
性別では、男性12件、女性9件であった。年齢では20代か70代に広く分布していた。
月別の報告数では、例年通り季節的な変動はみられなかった。
(3)尖圭コンジローマ:14件
性別では、男性11件、女性3件であった。年齢は20代から40代に分布していた。
月別の報告数では季節的な変動はみられなかった。
(4)淋菌感染症:52件
報告数は、例年通りクラミジア感染症に次いで多く、男性47件、女性5件と、男性が多い傾向に変わりがなかった。
年齢は、20代から60代に広く分布していた。月別の報告数は、やや夏場に多くみられた。
8)基幹定点把握疾患の発生状況(月報):(表14、15、16、図12)
(1)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症: 290件(定点当たり 35.0件/年)
前年とほぼ同数であった。益田圏域の82件、浜田圏域の81件で多く報告があるが、少ない圏域もあり圏域差が大きい。
男女比は1.8:1で、男性が女性の2倍報告されている。年齢別では、70歳以上が70.0%と、例年どおり70%以上を占めた。
(2)ペニシリン耐性肺炎球菌感染症: 6件
浜田圏域から6件の報告があり、年齢は10歳未満2件、60代1件、70歳以上3件であった。どちらかといえば高齢者に多い。
(3)薬剤耐性緑膿菌感染症: 0件
2021(R3)年は報告が無かった。過去10年で最も少ない報告数であった。