2003(H15)年 年報
(11) ヘルパンギーナ >年間データ
 2003年のヘルパンギーナの報告件数は、1,105件で、過去10年間の患者数と比較した流行指数が1.67と大きな流行となった。 ヘルパンギーナの流行規模はここ10年の間に小さくなる傾向にあり、1992年以前は毎年1000件を超える報告があったが、1993年 以降に1,000件を超えたのは本年のみとなっている。
 週別に報告数をみると、第23週(6月上旬)に定点当りの報告患者数が1.0人を超え、その後急激に患者数が増加し、第27週 (7月上旬)から第29週(7月中旬)にピークに達した。その後急速に患者数が減少し、第33週(8月上旬)には定点当たり1.0人 以下まで減少し、典型的なヘルパンギーナの流行パターンとなった。
 各地域でみられる流行のピークを週別にみると、東部・中部は第26〜27週にかけてピークがあるのに対して、西部の各圏域は 大田が第31週、浜田が第28週、益田が29週と、東・中部の圏域より流行のピークがずれている。年齢別では1歳が322人(29.1%) で最も多く、2歳233人(21.1%)、3歳140人(12.7%)であり、3歳以下の報告が76%を占めている。
 本年の流行ウイルスは、夏の流行に合わせてコクサッキーA10型ウイルスが分離されている。このウイルスは過去には1997年、 2000年など数年間隔で流行しており、本年の流行はほとんどがこのウイルスによるものと思われる。その他のウイルスでは、 コクサッキーA4型ウイルスが9月と10月に散発的であるが分離されている。

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年間発生推移
過去10年間推移

シーズン別の報告数合計:ヘルパンギーナ
平均報告数1998年1999年2000年2001年2002年2003年
6043108964609833721,105