2003(H15)年 年報
(4) 感染性胃腸炎 >年間データ
 感染性胃腸炎は、年間の総報告患者数がほぼ一定である疾患の一つである。2003年の感染性胃腸炎は、過去10年間と比較した 流行指数が0.96とほぼ平年並みの流行であった。報告患者総数はインフルエンザに次いで2番目に多かった。報告患者総数は、 例年インフルエンザの流行規模により順位が入れ替わるが、本年はインフルエンザの流行が比較的大きかったことによる。
 2002/03年シーズンの週別の定点あたり報告患者数では、冬期に入り増加し2002年の11月中旬に例年より早くピークを迎えた。 1月から2月にやや減少したのち3月に再びピークがみられ、その後、徐々に報告数が減少し6月から9月までの間は2人前後で 推移した。10月下旬(第44週)から患者数が増加し始め、12月下旬(第52週)にピークを形成している。
 近年の傾向を季節別にみると、冬期(12月〜翌年3月)に多く、この間の12月中旬〜下旬と、2月上旬〜3月下旬に患者数が集積 する2峰性となることが多い。また、7月上旬〜10月上旬の夏期から初秋にかけて患者報告数が小さくなる。検出されたウイルス をみると、2002年の11月および本年の12月の患者数の増加に合わせてノロウイルス(NV)が検出されており、11月から1月の冬期前半 の流行はNVを主体とするものである。一方、3月の患者数増加と一致してA群ロタウイルスが多く検出され、春の流行期はこの ウイルスによるものであった。
 地区別では、年間の定点当たり報告数で最も多かったのは中部地区の289.9人、次いで西部(219.3人)、東部(207.0人)となっ ている(表6)。流行のピークは地区により違いはあるものの、1月から3月と12月にみられた。また、年齢別では、1歳が 15.4%で最も多かったが、他の各年齢も5%〜10%前後であり、幅広い年齢層で報告されている。

感染性胃腸炎報告グラフ >グラフデータ表示
年間発生推移
過去10年間推移

シーズン別の報告数合計:感染性胃腸炎
平均報告数1998/1999年1999/2000年2000/2001年2001/2002年2002/2003年2003/2004年
5,3715,3226,1485,1414,9645,2781,629