2003(H15)年 年報
島根県感染症情報(月報) 12月(12/1〜12/28)
1.県内感染症情報
1)全数報告感染症(1〜5類感染症)
 ツツガムシ病が2件(雲南圏域1件、隠岐圏域1件)報告されています。

2)インフルエンザおよび小児科定点報告 ( )内は月の定点当たり報告数
○インフルエンザ:12月は報告がありませんでした。全国的には、北海道、東北、関東より流行が始まっています。
○感染性胃腸炎:(40)。初旬から一気に各地区で倍増しました。特に大田圏域(117)、浜田圏域(48)、出雲圏域 (44)で多くみられました。
○水痘:(9)。多発期になり、例年と同規模の報告になっています。10月より益田圏域(19)での流行が 大きく、出雲圏域(12)や大田圏域(9)もやや多く報告されました。
○A群溶連菌咽頭炎:(4)。雲南圏域(9)で流行しており、松江圏域(4)、出雲圏域(3.6)でも多かったです。
○麻しん:益田で、成人例が1件報告されました。
○咽頭結膜熱:益田圏域(4)で報告が続いています。
○ヘルパンギーナ:出雲圏域(1.6)で報告されています。

感染性胃腸炎報告推移グラフ 咽頭結膜熱報告推移グラフ

3)眼科定点報告
 流行性角結膜炎の報告は依然として高い発生レベルにあります。罹患年齢は20歳以上に集中しています。

4)性感染症報告
 性感染症の報告件数は、この16年間で最も高いレベルで推移しています。

5)基幹病院報告
○細菌性髄膜炎:出雲で5歳未満の幼児例が1件報告されています。
○無菌性髄膜炎:出雲で5歳未満の幼児例が1件報告されています。
○マイコプラズマ肺炎:出雲圏域と松江圏域で3件報告され、今年の合計は25件となりました。全国的に は平年以上の流行となっており、岡山県では特に大きな流行が続いています。
2.病原体検出情報(12月までの検出結果)
 感染性胃腸炎の発生数が多くなっています。検出されるウイルスはエンテリックアデノを中心にNoro(NV、 SRSV)、Rota、Echo30等の多くの種類が検出されています。細菌ではカンピロバクター、緑膿菌が検出されて います。

2003年10月 から 2003年12月まで の診断名別病原体検出数:島根県(保環研 感染症疫学科)
ウイルス名アデノ腸管アデノコクサッキーAコクサッキーBエコーパレコA群ロタNVSVカンピロバクター病原性大腸菌合計
23562469101346730EPEC
感染性胃腸炎 11 13   1 1 211331712-38
ヘルパンギーナ     251  1           9
咽頭炎   1   1 153  31      15
無菌性髄膜炎             6 1      7
熱性疾患2                     2