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平成12年10月4日
島根県保健環境科学研究所
感染症情報センター
TEL:0852-36-8188
FAX:0852-36-8356

 島根県感染症情報(月報) 9月(9/4〜10/1)

9月_月報 /週報の月集計データ /STD・基幹定点月報 /全数報告疾患(全国)

1.県内感染症情報

  1)全数報告感染症(1〜4類感染症)
・9月上旬に腸管出血性大腸菌が出雲、浜田保健所管内から
それぞれ1例づつ報告された。
・梅毒が1例報告された。
  2)インフルエンザおよび小児科定点報告
・手足口病が特に西部で流行が大きくなり、全県でも9月中旬にピークがあった。
・ヘルパンギーナの本年の流行は小さく、8月初旬をピークに漸減している。
・流行性耳下腺炎はやや多い西部を含め、漸減している。
・麻疹は今月中部で10名(4名は10歳以上)報告された。この2年間一桁の報告であったが、
本年は既に計51名の発生となった。
・百日咳は今月も6名報告され、1月から累計39名となり、昨年度の22名の倍近くになった。 (泉 記)
  3)眼科定点報告
・流行性角結膜炎が11名報告され、そのうち中部から7名であった。年齢は20歳以上が10名であった。
  4)性感染症報告
・前月とほぼ同じ淋菌感染症、性器クラミジアを中心に19名が報告され、そのうち17例が20〜30歳代である。
  5)基幹病院報告
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症は80例で1月以降突出して多かった。これまで多かった西部に加えて、
中部でも急に増加した。48%は70歳以上であり、10歳未満と60歳代もそれぞれ約20%と多い。
・ペニシリン耐性肺炎球菌感染症は8名あった。5月以降の5か月間では東部25名、中部10名、西部16名であり、
10歳未満と70歳以上に多く、それぞれ17名と24名であった。
・薬剤耐性緑膿菌感染症は4月以降、報告がみられない。 (泉 記)
2.病原体検出情報(9月月報)
・コクサッキーA4型は7月を中心に東部のヘルパンギーナ、上気道炎から分離されています。
コクサッキーA10型は7,8月の手足口病の主流行ウイルスとして、その他ヘルパンギーナ、上気道炎からも
分離されています。また、手足口病からは8月中旬以降コクサッキーA10型に替わってエンテロウイルス71型が
分離されるようになっています。
・平成12年度に島根県で発生した腸管出血性大腸菌の薬剤耐性試験成績 (使用薬剤12中)
菌株名菌株数耐性菌株数割合(%) 耐性薬剤名Te:テトラサイクリン
O-26 34 3 8.8 Te,SM(2株) AM(1株) SM:スプレプトマイシン
O-157 15 4 26.7 SM(4株) AM:アンピシリン
島根県で検出された腸管出血性大腸菌のすべての株は、ホスホマイシンに感受性を示し、また
多剤耐性菌も出現していません。


 島根県感染症情報(月報) 9月(9/4〜10/1)