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平成29年11月定例県議知事提案理由説明要旨

定例議会開会にあたり、諸議案の説明に先立ちまして、最近の県行政の主な動きについてご説明し、併せて、私の所信の一端を申し述べたいと思います。

 

(1.最近の政治・経済情勢)

 (1)まず、国政につきましては、先月、総選挙が行われ、今月1日には、第4次安倍内閣が発足したところであります。

 国政においては、経済対策、社会保障制度改革、財政再建、地方創生など、重要な課題が山積しております。

 また、北朝鮮情勢は緊迫した状況が続いており、我が国への影響も懸念されております。

 新しい内閣のもとで、適切な対策をとられることを期待するものであります。

 また、このたびの選挙により、島根からは、再選された方々に加え、お二人が新たに議員となられました。

 議員の皆様には、島根など地方の声が国政に活かされるよう、ご活躍を期待するものであります。

 

 (2)次に、日本経済におきましては、緩やかな景気回復の動きが続いておりますが、米国や欧州・アジア各国などの経済動向や金融資

 本市場の変動などによく留意していく必要があるように思われます。

 県内経済につきましては、企業の生産活動など全体として持ち直しの動きが続いておりますが、世界経済の変動などに注意が必要で

 あります。

 県としましては、引き続き内外の情勢をよく注視しながら、必要な対策を取ってまいります。

 

(2.産業振興)

次に、産業振興について申し上げます。

 

 (1)観光につきましては、「日が沈む聖地出雲」の日本遺産認定、石見銀山の世界遺産登録10周年、隠岐ユネスコ世界ジオパークの

PRなどを契機として、県内各地で地域資源を活用した魅力ある観光地づくりが進んでおります。

 

(2)今月4日、5日には、高円宮妃殿下の御臨席をいただき、「地域伝統芸能全国大会日本の祭りinしまね」を出雲市と浜田市で

開催いたしました。

海外2団体、国内38団体が、来場された2万9千人の方々にそれぞれの地域の伝統芸能の魅力を披露しました。

 

 (3)また、国内の世界遺産を有する自治体の参加による「世界遺産サミット」を、今月9日から3日間、大田市において開催し、世界

 遺産を活かしたまちづくりや連携などについて、意見交換を行いました。

 このサミットを契機に、参加された地域との連携を一層深め、石見銀山のさらなる魅力発信を行ってまいります。

 

 (4)大山隠岐国立公園満喫プロジェクトにつきましては、昨年策定した「大山隠岐国立公園ステップアッププログラム」を、周辺地域

との連携も取り入れた新たな計画に見直したところであります。

国、地元自治体、関係機関などと一体となって広域的な受入体制の整備を進めてまいります。

 

(5)「ご縁の国しまね」プロモーションにつきましては、出雲、石見、隠岐の観光スポットや風景などをEXILEの皆さんが紹介す

る新たなPR映像を、今月から県のホームページなどで公開しております。

こうした映像等を活用しながら、多くの皆様に島根の魅力を感じていただけるよう、積極的に情報発信を行ってまいります。

 

(6)次に、IT産業の振興につきましては、Rubyによる優れたビジネス事例を表彰する「Rubybizグランプリ」に、全国か

ら28社の応募があり、来月、東京で表彰式を行います。

このグランプリを通じて、県内のITビジネスがさらに拡大するよう、県内のIT企業の技術開発や人材育成を支援してまいります。

 

(7)企業誘致につきましては、先月、大阪で企業立地セミナーを開催し、約100社、130人の方々に参加いただきました。

 セミナーでは、県内の中山間地域に立地した企業から、地元の行政や教育機関との連携によって、従業員の確保で成果を上げている

 事例を紹介いただくなど、島根の立地環境の良さをアピールしました。

 今後も引き続き、県内視察などにより、誘致を働きかけてまいります。

 

(8)県内企業における人材確保につきましては、引き続き厳しい状況にあります。

このため、学生と企業との情報交換会を、来月、松江市で開催するほか、1月には東京でも実施することとしております。

また、ものづくり産業の企業説明会を、今年度は2会場から6会場に増やして実施します。

このほか、先月からは、観光産業への就職を希望する方を対象とする、半年間の研修を実施しております。

この研修では、県内宿泊施設での実習などを行い、参加者の県内就職につなげることとしております。

今後とも、県内企業の人材確保に向けた支援を進めてまいります。

 

 

(3.農林水産業の振興)

次に、農林水産業の振興について申し上げます。

 

 (1)水田農業につきましては、米政策の見直しが行われる来年以降も、農業経営の安定が図られるよう、施策の充実を国に働きかけ

 たところであります。

 県としましても、売り先を確保した米づくりに向けた取組みをさらに進めてまいります。

 

(2)平成32年に島根県で開催される「第71回全国植樹祭」につきましては、会場を、昭和46年に全国植樹祭を開催した大田市の三瓶

山北の原とすることが正式に決定いたしました。

 北の原では、前回の植樹祭で植えたクロマツが利用期を迎えたことから、今回の植樹祭の会場で利用するほか、東京オリンピック・

 パラリンピックの選手村施設の建設材の一部として提供することも決まりました。

 今後も様々な機会を通じて、豊かな森の大切さや、しまねの木の良さを発信するとともに、「森林県しまね」らしい大会となるよ

 う、万全の準備を進めてまいります。

 

 (3)水産業につきましては、クロマグロの資源管理について全国的に厳しい規制が行われ、県内の漁業者も大きな負担となっている

 ことから、先般、国に対してこれらの現状を伝え、負担の軽減について要望したところであります。

 また、県内各地で、漁獲物の鮮度管理の徹底やブランド化などの漁業関係者一丸となった取組みが進んでおります。

 引き続き、収益性向上などの取組みを支援し、漁業・漁村の活性化を図ってまいります。

 

 

(4.子育て支援・女性の活躍推進)

次に、子育て支援と女性の活躍推進について申し上げます。

 

 (1)子育て支援につきましては、現在、国において幼児教育の無償化の議論が行われているところであり、今後の動きを注視する必要

 があります。

 県としましては、安心して子育てできる環境をつくるために、引き続き、保育料の軽減などの施策を進めるとともに、保育士バンク

 や実習生への旅費支援などにより、保育士の確保を図ってまいります。

 

 (2)女性の活躍推進につきましては、来月、「しまね働く女性きらめき応援会議」で今後の取組みのための目標と工程表を定めること

 としております。

 女性が個性と能力を十分に発揮して活躍できる環境づくりがさらに進むよう、引き続き官民一体となって取り組んでまいります。

 

 

(5.移住・定住対策と中山間地域・離島対策)

次に、移住・定住対策と中山間地域・離島対策について申し上げます。

 

(1)移住・定住対策につきましては、9月に大阪でUIターンフェアを開催し、多くの方々に来場いただいたところであり、今後、

東京と広島でも開催を予定しております。

島根へのUIターンがさらに進むよう、来場された方々のご意見を施策に活かしていきたいと考えております。

 

(2)中山間地域における「小さな拠点づくり」につきましては、住民の意識醸成が進んだ地域から、高齢者の見守りや買い物支援、

交通弱者の移動手段の確保など、具体的な実践活動が始まってきております。

また、若い世代や地域外の住民が活動に参画するなど、すそ野も広がりつつあります。

今後も引き続き、市町村と連携しながら、具体的な計画づくりや実践活動へ取組みが進むよう、支援してまいります。

 

(3)離島対策につきましては、有人国境離島法に基づく航路運賃について、島外の学校等に進学した児童生徒や、移住体験事業への

参加者などを、先月から新たに低廉化の対象にしたところであります。

8月に策定した県計画に基づき、国の交付金を十分に活用しながら、隠岐地域の交流人口の拡大や新規雇用者の増加につながるよう、

隠岐4町村とともに取り組んでまいります。

 

 

(6.社会基盤の整備)

次に、社会基盤の整備について申し上げます。

 

 (1)大橋川改修につきましては、松江市内の4地区で堤防工事が着実に進められており、今月からは、上追子川の排水機場工事が始

まりました。

 引き続き、国や松江市と連携して事業推進に取り組んでまいります。

 

(2)萩・石見空港の東京線につきましては、来年4月以降の2便運航継続の決定を受け、首都圏等からの新規需要の拡大に向けた取

組みの強化に加え、切れ目のない利用促進対策を進めていく考えであります。

 今後も、山口県や地元協議会、両県の観光団体や航空会社などと連携して、利用促進に取り組んでまいります。

 

 (3)三江線につきましては、代替交通の確保に向けて、バスの転回場やバス停の整備、車両の発注など、各市町や運行事業者で準備

 が進められております。

 三江線廃止予定日の来年4月1日までに、持続可能な代替交通が確保され、地域住民の方々などの移動に支障が生じないよう、引き

 続き、沿線6市町、JR西日本、広島県などとよく協議しながら、全力で取り組んでまいります。

 

 

(7.地域医療の充実)

次に、地域医療の充実について申し上げます。

 

 (1)国民健康保険につきましては、来年度から都道府県が財政運営の責任主体となることから、新制度への円滑な移行に向けて、

 運営方針の策定や条例の整備、予算の編成など、必要な準備を進めてまいります。

 

 (2)医師確保につきましては、来年度、県内で初期臨床研修を行う内定者が61名と過去最高になり、今後の若手医師の増加に向け

 て期待される結果となりました。

 引き続き、しまね地域医療支援センターなど県内関係機関と連携して、若手医師の県内定着に取り組んでまいります。

 

 

(8.原発の安全・防災対策)

次に、原発の安全・防災対策について申し上げます。

 

(1)島根原発2号機につきましては、原子力規制委員会で審査が継続中であり、県としても引き続き審査状況を注視しております。

 

(2)防災対策につきましては、先月に地域防災計画原子力災害対策編を修正し、昨日には、原子力防災訓練を実施したところであり

ます。

引き続き、国、島根・鳥取両県、島根原発の立地市及び周辺市による作業チームにおいて、万が一に備えた避難計画の実効性向上など

に向け、検討を進めてまいります。

 

 

(9.交通安全・治安対策)

次に、交通安全・治安対策について申し上げます。

 

(1)県内の飲酒運転の検挙件数が最近増加しており、1月から10月までで139件、前年比17%の増加となっております。

飲酒運転や高齢者の交通事故等の防止に向けた対策を、関係機関や民間団体と連携して進めるとともに、来月11日から始まる

「年末の交通事故防止運動」においても取組みを強化してまいります。

 

 (2)治安対策につきましては、電子メールの連続送信による嫌がらせ行為など、近年、悪質・多様化している迷惑行為に対処する

 ため、島根県迷惑行為防止条例の改正案を今議会に提出しております。

 

 

(10.国体の成績)

さて、愛媛県で開催された今年の国民体育大会において、ホッケー少年男子で横田高校が8年ぶりに優勝したのをはじめ、ラグビーやソ

フトテニスなど、合わせて13競技・31種目で入賞を果たしました。

この結果、島根県は、当初の目標を大きく上回る得点をあげ、男女総合で23年ぶりの30位台となる、38位という好成績を収め、私ども

県民に喜びを与えてくれました。

今後も島根の若者たちが大いに活躍することを期待しております。

 

 

(11.補正予算など提出議案)

それでは、今回提出いたしました一般会計補正予算案などの概要について申し上げます。

 

一般会計の補正予算案につきましては、萩・石見空港の利用促進対策について措置し、総額4,300万円を増額しております。

この結果、補正後の一般会計予算の規模は、5,219億円となります。

 

この補正予算案のほか、予算案1件、条例案7件、一般事件案7件の計16件を提出しております。

 

これら議案の詳細につきましては、この後、総務部長から説明させることと致します。

何とぞ宜しくご審議のほど、お願い申し上げます。

 

 

(追加の説明)

最後に、この場をお借りいたしまして、議会と県民の皆様に、私の健康問題について、説明させていただきます。

 

 (1)今月1日に、私が以前からかかりつけております東京の虎の門病院で、人間ドックを受けた際に、食道に腫瘍があり、精密な検査が

必要であるとの指摘を受けました。

 

(2)今月16日と17日の検査で、腫瘍は癌であることがわかり、転移はしていないものの、必要な治療を行わなければならない、という

ことでありました。

 

 (3)このため、11月議会終了後、入院・治療を行うことといたしました。

 

 (4)その後の経過については、わかり次第、また説明をさせていただく所存であります。

 

(5)以上のような状況にありますが、副知事以下、幹部職員とよく連絡を取り、県政運営に支障を生じないよう、最善の努力をして

まいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 

以上をもちまして、私からの発言を終了いたします。


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